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島田 宗太郎さん ――― 東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 老年看護学/創傷看護学分野 修士課程2年

プロフィール

島田 宗太郎(しまだ・そうたろう)

慶應義塾大学看護医療学部卒業。慶應義塾大学病院に1年間勤務した後、東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 老年看護学/創傷看護学分野修士課程入学。神奈川県小田原市出身、26歳

 

趣味:筋トレ、銭湯めぐり
座右の銘:知行合一

 

大学院入学までの経緯

もともと物理学者になるのが夢でしたが、高校2年生の時の体験がきっかけで医療系に進路を変えました。高校で留学していた時、看護学の教授と交流を持つ機会があり看護師に関心を持ち、研究の話や仕事の話を聞いて楽しそうだと思って大学院にも興味がわきました。

 

学部時代はできるだけ自分の視野を広げ、能力を伸ばしたいと考え、文化祭実行委員の渉外局の副局長を務めたり、野生の食材を採取し食べるサークルや海外ボランティアや海外の公衆衛生について学ぶサークルに入ったりと、いろいろなチャレンジをしました。

 

研究を積極的にやりたい!東京大学大学院を選んだ決め手

 

広い視野を持って研究を積極的にやっている研究室に入りたいと思いリサーチしました。進路について悩んでいた時期、学部時代の恩師から「東京大学の老年看護学研究室を見てみたら」というアドバイスを受け、調べてみたところ、とても引き込まれたのを覚えています。

 

病棟で働いていた時に活用していた、褥瘡の評価指標である「DESIGN-R®2020」の開発に携わったのが 東京大学の老年看護学/創傷看護学研究室 だとわかり、研究するなら医療現場で活用されるものに落とし込みたいという意識も手伝って面談を申し込みました。 また、仲上先生と出願前のweb面談をした際には、ほぼ初対面にもかかわらず進路やキャリアについて親身にアドバイスをくださったり、研究の楽しさだけでなく大変な部分についても伝えてくださって、信頼できるこの研究室で研究したいと決めました。

 

仕事と受験勉強の両立のカギは“隙間時間の活用”

 

当時は筆記試験はなく、小論文とTOEFLのスコアの提出が求められました。仕事をしながらのTOEFL対策が大変で、通勤時間や昼休憩、帰宅後の時間を使ってリスニングや筆記の問題を解き隙間時間を有効活用するようにしました。

 

また、看護師1年目として、配属された科でよく実施される術式やケアについての勉強も並行して進める必要があったため忙しかったですが、看護師としての勉強が疲れたら受験勉強、受験勉強が疲れたら看護師としての勉強…とメリハリをつけて取り組みました。

 

 

大学院生のリアル

 

卒業に必要な単位は1年目であらかた取り終えたので、2年目は研究や実験を中心に生活しました。9時~17時がコアタイムなので、できるだけその時間に研究活動を終わらせることを目標に活動しています。ただ、集中してしまっていて、気がつくと結構遅い時間になっていることもあります。

 

身体を動かすことが好きで、自転車通学しています。最近は「健康」がキーワードで、深夜まで開いているジムに寄って30分ほど筋トレをして帰るというのがルーティンです。

 

学費・生活費のやりくり

 

大学院進学後は5年間無収入になることを想定して、大学の時から少しずつ貯めていました。大学院では奨学金は給付のものも多いため、できるだけ多くの奨学金に申請しました。それに加えてJASSO(日本学生支援機構)からの奨学金も借りて、現在は返済免除を目指して業績を作れるようにも研究を頑張っています。

 

また、東大には授業料免除や授業料負担軽減等の制度があるので、家族に頼れない場合でも、これらをフル活用することでやりくりすることが可能です。先輩から学費免除に関する手続き等の情報は代々引き継がれているところが研究室の魅力でもあります。

 

研究のやりがい

学会で新しく得た学びを研究に取り入れてみたりして試行錯誤しているときにやりがいを感じます。
1つのやり方にこだわらず、視野を広げいろいろなものを取り入れて研究していく姿勢が大切だと思っています。

 

 

研究テーマ

 

VRやARなどの新しい技術を使って、新人看護師を教育し、どのような効果が得られるかを検証しています。まだ臨床に実装を進めている段階の新しい技術ですので、今後さらにブラッシュアップするためにはどうしたらよいかな…など考えながら研究をすることが楽しいです。今回の研究で現状の課題や利点、さらなる発展のためにはどうすべきか明らかにしていきたいと思いながら進めています。

 

今後の進路

 

博士号の取得を目指したいです。修士課程を通して、医療を変えたいと考えた際に研究を理解した上で臨床に取り入れようとしてくださる方の存在がとても大切だと気づかされました。その経験から、将来は臨床と研究を橋渡しできるような人材を目指したいと考えています。

 

日本の医療全体を良くしたいと考えた時に、看護研究の重要性を理解した上で政策を考えていく姿勢が重要になると考えていることもあり、将来は政治関連の仕事も考えています。

 

そのためにもまずは博士課程を通して、科学的思考力や知識を身に着けて、少しでも日本の看護に寄与できるような自立した研究者を目指したいです。

 

仲上研究室の魅力

 

この研究室で扱う分野は工学・バイオ・機械学習・実装研究など多岐に渡り、一見別々の研究をやっているように見えてすべて関わりがある、という特徴があります。

 

仲上研究室では、それぞれの研究を密に共有し合うことで、自分の専門以外のことについても詳しくなれることがメリットだと思います。先生方、院生全員がよりよい研究にしようという意識がある中で研究に取り組んでおり、恵まれた環境で学べていることをいつも感じています。

 

大学院進学を考える人たちへのメッセージ

 

看護師がキャリアを考える時、大学院はとてもよい選択肢だと思っています。研究によって培われた科学的思考力や研究者としての素質は、医療系のエンジニアやコンサルタントなど、看護のバックグラウンドを持って働くときにも役に立ちますし、別のフィールドでも強みとなると考えています。

 

私は看護研究に興味があり大学院進学を選択肢に入れましたが、大学院に進学して研究についてだけでなく、幅広い視点で考える能力を身についてきていると実感しています。もし今、看護師として働いていてもっと学んでみたいと思うことがあるならば、大学院進学という選択肢も考えてみてはどうでしょうか。

 

 

 

 

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