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生田花澄さん
生田 花澄さん ――― 東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 看護先進科学専攻 在宅・緩和ケア看護学分野 一貫制博士課程4年
【プロフィール】

生田 花澄(いくた・かすみ)

大阪大学医学部保健学科卒業後、同大学大学院医学系研究科保健学専攻修士課程に進学し修了。現在東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科 看護先進科学専攻 在宅・緩和ケア看護学分野一貫性博士課程4年。福井県出身、26歳。
趣味;ミュージカル鑑賞
座右の銘:思い立ったが吉日

大学院進学を決めた理由

看護学部の卒業研究では、目の前の患者さんをデータとして捉えるおもしろさと、研究成果が目の前の人だけでなく、世界中の多くの人々の生活を改善できる可能性にとても魅力を感じました。しかし、学部卒業時点は自分自身で研究を遂行することが難しく、エビデンスに基づいた研究成果を報告するためには、より研究を学ぶ必要があると感じ、修士課程に進学しました。修士課程では、より深く研究について学ぶことができましたが、まだ十分に目標を達成することができていなかったため、病院就職と悩みましたが、博士課程に進学することを決意しました。

 

研究テーマ

有料老人ホームに入居している高齢者を対象に、入居後の身体機能変化の軌跡を分類し、それぞれの軌跡の特徴を探索する研究を行っています。これは、2021年から開始された科学的介護情報システムに入力されたデータを複数施設から取得し、解析を進めています。約2000人の時系列データを用いた研究に取り組むことは難しいですが、少しでも研究成果を入居者の方に還元できるよう、統計やプログラミングを勉強しながら進めています。

 

研究室の特徴、学生の雰囲気

何でも相談しやすい雰囲気です。研究室では、学生が主体的に勉強会を開催したり、お互いの研究に関して議論したりしています。

 

大学院のリアル

大学院では、時間の使い方を自分でコントロールすることができます。そのため、研究に取り組むかたわら、自分のやりたいことにチャレンジできる点も魅力の1つです。私は介護現場の生産性向上に取り組むベンチャー企業でインターンをしており、現場の人と一緒に課題解決にチャレンジしています。

大学院では学部と比べて授業数が少なく、授業以外で他の研究室の方と関わることがありません。大学院では自分が主体となって研究を進めていくため、一緒に頑張る同期の存在がとても支えになります。そのため、1年生の頃の授業で同期との仲を深めておくことも大切だと感じます。

 

修士・博士それぞれの魅力・やりがい

修士課程では、研究の考え方や視点、方法論を学ぶことができると感じています。臨床現場で感じる疑問、例えば「なぜこの患者さんに身体抑制が必要なのか」「3時間に1回体位交換するエビデンスは何か」などを、エビデンスに基づいて、仮説を検証することができます。修士課程で学ぶ研究は研究者だけに必要なものではなく、臨床で働く上でも貴重な学びになるのではと感じています。そのスキルを持ってまた臨床に戻ると、よりいい実践につなげていくことができるのかもしれません。

 

大学院生のお金事情

修士課程の頃は、アルバイトをしながら、学費や生活費を稼いでいました。臨床経験のある先輩方は貯蓄を作り進学する方や、訪問看護などのアルバイトをしながら研究をする方もいらっしゃいます。

また、本学には「卓越大学院制度」があります。博士課程の学生が対象で、研究専念支援金(生活費相当)毎月16万円(年間192万円)と研究費(年間50万円)が支給されます。同様の制度を持っている大学院は他にもあるので情報をキャッチし、採用されれば生活に困窮することなく研究に取り組むことができるのではないかと思います。

 

家庭との両立

大学院には、在学中に出産する方や子育て中の方など、さまざまなライフステージの学生がいます。本学では博士一貫課程の間に単位を取得する必要がありますが、取得時期は自分で選択することができます。授業以外にもゼミなどがありますが、指導教員と相談しながら両立している印象です。

 

受験前の研究室訪問について

「研究室選びは人選び」-これに尽きると思います。興味のある研究室があればゼミに参加したり、研究室員に話を聞いたりするといいと思います。修士課程の中で、指導教員と合わず、研究室を移動する方もいらっしゃるので、研究室選びは時間を惜しまず念入りに取り組むことをおすすめします。

 

現時点で考える博士課程修了後の進路

これまでは、博士課程修了後はアカデミアで研究を続ける進路のみを考えていましたが、今は病院就職も検討しています。私はストレートで大学院に進学したため、臨床現場で働いた経験がほとんどありません。病院で患者さんと関わる中で感じる臨床疑問は研究する上でとても重要であり、研究の意義や成果の活用について考えることができるのではないかと感じています。寄り道したとしても、いずれはアカデミアに帰ってきたいと思っています。

 

大学院受験を考える看護学生・看護職へのメッセージ

臨床の現場で働いた後でも、看護学部を卒業した後でも、興味が湧いた時が大学院に進むタイミングだと思います。皆さんの入学をお待ちしています。

 

東京医科歯科大学大学院 福井小紀子先生~人への関心から見つけた看護の魅力~

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